キッズサンガは「ご縁のある大人たちが全ての子どもと接点を持ち子どもとともに阿弥陀さまのご縁に遇っていこう」と、浄土真宗本願寺派(宗派)が全寺院を挙げて2007年から始めた取り組みです。
2014年から若者層(中学生・高校生・学生・社会人など)へ働きかけを強めていくために、これまで「青少年教化活動」としていたものを「子ども・若者ご縁づくり」としたうえで、「キッズサンガをさらに」展開していこうと新たな歩みを始めました。
宗派では「子ども・若者ご縁づくり推進室」を開設し、全寺院を挙げて生まれたての赤ちゃんから、40歳未満の方々に「手を合わせ、お念仏申す人」になってもらうことを目標に、そのご縁を「つくり」、そのご縁を「つなぎ」、そして「深める」ことに取り組んでいます。
この「ご縁づくり」は「次世代と共に」ご縁に遇っていくことを大切にしています。
次代を担う人の育成「子ども・若者ご縁づくり」「次世代と共に」が私たちのテーマです
「あらゆる人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、もって自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」(浄土真宗本願寺派宗制:前文)ことを目的としています。
「武力紛争、経済格差、気候変動、核物質の拡散など、人類の存続に関わる課題が露呈」と専如ご門主がご消息の中でお示しのように、私たちの自己中心的なものの考え方が、社会のあらゆるひずみを増幅させ、人びとの生きづらさなどを生んでいるようです。
とりわけ子どもたちや若者たちは、その影響の中で生きづらさを感じている方が多くあります。
私たちは阿弥陀如来が、すべての生きとし生けるものの上に願い続けてくださる智慧と慈悲の心を、この私に掛けられた願いと聴くなかで、自己中心的にしか生きていけない自分の愚かさに気づかされます。そこから、他のいのちへの敬いと、いのちを尊ぶ私になろうとするところに「心豊かに生きることの出来る社会の実現」があると思います。
「手を合わせ、お念仏申す人になってもらいたい」
これは私たち共通の願いです。
合掌することに慣れていない方が多くあるようです。またお念仏を申すことにも慣れていない方も多くあります。また周りにお念仏を申す方が少なくなっているのが現代です。
人は環境に育てられるといいます。家族形態が近年激変していますので、かつてのような家庭での伝承が困難な状況になってしまいました。また身近にいる私たち大人自身が日頃の生活の中で「手を合わせ、お念仏申す」姿を見せていないのかも知れません。
まずは「合掌すること」「お念仏を称えること」に慣れ親しむ環境づくりが急がれます。
ひとりでも多くの方々が、お寺を居場所にしてくださり、違和感なく「手を合わせ、お念仏申す人に」なってもらいたいと思います。また私たちと共にお寺の法座で阿弥陀さまのお話を聞く人となってもらいたいと思います。
それは自分だけの力で生きているのではなく、多くのものに「支えられ生かされている」ことに気付くことであり、「心豊かに生きることの社会の実現」への第一歩があると思います。
私たちはご縁に遇っているものとして、目標に向かって歩み続けたいと考えています。
目標に向かって、私たちは計画を立てました。
これは家庭・寺院・組(お寺の地域のグループ)・教区それぞれの場で取り組んでいくこととしています。
- キッズサンガをさらに
- ご縁が少しでものある若者へ アプローチ1
- ご縁のなかった若者へ アプローチ2
(生きづらさを抱えている子ども・若者への寄り添いを含む)
これらを具体的に取り組んでいきます。
専如ご門主の法統継承に際しての消息で
「宗門の現況を考えます時、各寺院にご縁のある方々への伝道はもちろんのこと、寺院にご縁のない方々に対して、いかにはたらきかけていくのかを考えることも重要です。本願念仏のご法義は、時代や社会が変化しても変わることはありませんが、ご法義の伝え方は、その変化につれて変わっていかねばならないでしょう。現代という時代において、どのようにしてご法義を伝えていくのか、宗門の英知を結集する必要があります」 と申されたように、「子ども・若者ご縁づくり」に全寺院が取り組むにあたっては「既成概念にとらわれない、大胆な発想と手法や言葉などを駆使して、若者たちが、これらにまず馴染んでもらえる『ご縁づくり』から」(基本方針より)始めたいと考えています。
乳幼児期からポスト青年期までという幅広い方々への「ご縁づくり」としますから
いままで「青少年」といっていたものを「子ども・若者」としました。
その子ども・若者たちは、仏教やお寺とのご縁が薄くなっている現状があります。
仏教やお寺に親しみを感じてもらうことから始めていくことが大切と考え、それらのご縁に遇ってもらう教化活動を「ご縁づくり」としました。
子ども:乳幼児期・学童期及び思春期にある者をさします
若 者:思春期、青年期の者、40歳未満のポスト青年期を含みます
ポスト青年期とは、青年期を過ぎ大学などで、社会の各分野を支え、発展させていく資質・能力を養う努力を続けている者や、円滑な社会生活を営む上で困難を有する40歳未満の者をさします
キッズサンガをさらに「お寺を子どもの居場所」に
宗派では親鸞聖人750回大遠忌「宗門長期振興計画」を立て、2007(平成19)年から、<次代を担う「人」の育成>をめざし「全寺院『子どものつどい』-キッズサンガ-」の運動をはじめました。
これは「ご縁のある大人たちが、すべての子どもと接点を持ち、子どもと共に阿弥陀さまのご縁に遇っていこうとする運動」としての取り組みでした。
2014(平成26)年の専如ご門主法統継承をご縁に、これまでのキッズサンガの成果と反省を踏まえ「次世代育成は私たちのテーマ」と捉え、これを青年層をも含んだ取り組みとして力強く推進していこうと、総局に「子ども・若者ご縁づくり推進室」を設置し、「キッズサンガをさらに」取り組んでいます。
なまえの由来
キッズサンガの名前の由来は キッズ(Kids)は「子どもたち」、サンガ(Sangha)は「仏教徒の集団」の意味があります。これをあわせて「お寺に集う子どもたち」とした造語です。
「お寺を子どもたちの居場所に」という、私たちの願いを表すものとして名付けました。
宗門内の教育機関におけるご縁づくり
本願寺では御正忌報恩講期間中に「本山成人式」、宗門関係学校卒業生の「帰敬式」・新入生の「参拝式」、宗祖降誕会への生徒・学生の参拝などを実施しています。
全国では「保育連盟」に加盟する幼稚園、保育園、認定子ども園などで、幼児期から宗教的情操を育む浄土真宗ならではの「まことの保育」がなされています。
また宗門には親鸞聖人の教えを建学の精神とする龍谷総合学園(加盟校数70)があり、小学生から大学生年代までの方たちが、宗教の時間や仏教行事などを通して、仏教に親しみ、仏教的生き方について学んでいます。
ご門徒の皆さまに、寺院が経営する園や宗門関係学校に入園や進学をお奨めしましょう。
これまでの歩み主な出来事
2007年度(平成19) |
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2008年度(平成20) |
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2009年度(平成21) |
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2010年度(平成22) |
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2011年度(平成23) |
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2012年度(平成24) |
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2013年度(平成25) |
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2014年度(平成26) |
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2015年度(平成27) |
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